1995 9月17日
阿部利勝・洋子


拝啓 ふりかえれば稲作にとっては今年も異常気象だったかな、というのが正直な気持ちです。
 冷夏かと思いきや、蒸し暑い夏が唐突にやってきました。
 稲の生育といえば、県内にはイモチ病(稲にとってもっともおそろしい病気のひとつ)警報が出され、農薬散布はしないぞと決めていた私は内心おだやかでありませんでした。注意深く田んぼを見回りながら部分 的に病気にかかっているところを除去したり、米酢やEMを散布しがら、なんとか農薬をふらずにすみました。
※1枚13・の田んぼ( どまんなか作付け) に、共同防除の作業員が間違ってイナゴ防除の農薬を(7月3 日) をふってしまいました・・。
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 虫については、鴨農法の田んぼは虫を鴨がえさとして食べてくれるので問題になりませんでしたが(イナゴに関しても農薬散布してる田んぼよりもむしろ少ないくらいでした)、除草剤一回だけの一部の田んぼは 、6月から7月にかけてドロオイ虫に田んぼが白く見えるほど葉っぱがくわれてしまいました。
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 日照不足、多雨で稲は軟弱な育ちになりました。こんな年は化学肥料であれ有機肥料であれ、多くやりすぎるとひどく病気に弱くなります。
 とくに稲を植える前にやる肥料は拾いだすこともできませんから、注意が必要です。イモチ病が蔓延しだすと農薬ですらなかなか止まりませんし、ササシキみたいに丈がのびやすい品種は倒れてしまうからです。
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 8月後半からの長雨にはまいっています。というのは鴨農法の田んぼは8月23日まで水を張りっぱなしだったため、まだどろどろの田植えができるような状態で『えっ、田植え長靴をはいて全部手で刈る?ウッ ソー』と空をうらめしげに見上げています。

おまたせいたしました。新米注文(予約)うけたまわります。
 一年間ご愛顧いただきありがとうございました。なにかと不慣れな面もあり、ご迷惑をおかけしたことをこの場をかりてお詫び申し上げます。また、この一年間のもようを『コメ主産地でコメを売るということ』 と題してまして、亀の尾プレスの「君は稲を見たか」のコーナーに載せる予定です。(後日同封いたします)
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                       本年産米の特徴
○無農薬無化学肥料田は有機100%のボカシ肥料50程度散布し(商品名エリート有機.放線有機)、あとは鴨のフンです。鴨のえさは昨年は鶏のえさとくずまいの両方でしたが今年は国産米のくずまいだけ で育てました。品種は昨年はササニシキだけでしたが今年ははえぬきも植えました。
○減農薬減化学肥料栽培はいわゆる低農薬米と同じでありまして、農薬は除草剤一回だけの散布(商品名ウルフエース)で他の農薬散布はしてません。肥料のほうは、有機肥料を併用し化学肥料の量は慣行農法の5割以下に抑えて作っています。
 ※1枚13の田んぼ( どまんなか作付け) に、共同防除の作業員が間違ってイナゴ防除の農薬を(7月3 日商品名オフナック粉剤) をふっ てしまいました・・。
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故郷からの贈り物
わたしの似顔絵が入ったオリジナルの箱でプレゼントしませんか。

○昨年田んぼで混じってしまった雪化粧とササニシキのブレンド米が好評でした。今年は間違わなかったからもうありません、というわけにもいかず、他の品種よりやや多く取れる『どまんなか』を昨年より100 円アップ ですが販売いたします。
○低価格の減農薬米はだれでも望むところですが、農薬を使わないぶん収量を犠牲にせざるおえないのが現状です。また、今年のような天気ですとひどく気を使います。そこのところをご理解いただければさいわいです。
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○予約数量について
月々の消費量×10が妥当なようです。(知人からの贈答米やら夏場の消費減を考えますと)。米屋さんと違い在庫量が限られていますので、大きく数量が変更がある場合早めにご連絡ください。もちろん、新米時一回ぽっきりの購入でもかまいません。
○配達について
ご飯を炊こうとしたらコメがない、というパターンがけっこう多いようです。そこで10月から5月までは品質が劣化しませんので月末(28〜30)に定期的に配達したいと考えています( ご要望があれば月2 回でもかまいせんが) 。留守でも置くところがあれば振込用紙を一緒に置いておくこともできますし、翌月支払いでもかまいません。6月からは月末、中旬(13〜15)の月2回の配達となります。コメのキロ数は8キロとか13キロとか端数がついても構いません。新米時は(本年は10月上旬、無農薬米は中旬より)注文ありしだい日時を調整しながら配達したいと思います。

本年も宜しくお願い申し上げます。
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・ご注文は電話.FAX.または同封のはがきにてお待ちしております。
ではでは、みなさん、ごきげんよう。
・お米届けにいって、もいちど逢えたならしあわせです。
                    

敬具
    
秋のひかり

ひかりがこぼれてくる
秋のひかりは地におちてひろがる
このひかりのなかで遊ぼう

        八木重吉

贈答用米メッセージ
 拝啓 ふりかえれば稲作にとっては今年も異常気象だったかな、というのが正直な気持ちです。
 冷夏かと思いきや、蒸し暑い夏が唐突にやってきました。
 稲の生育といえば、山形県内にはイモチ病(稲にとってもっともおそろしい病気のひとつ)警報が出され、無・低農薬米生産の現場としては内心おだやかでありませんでした。はらはらしながら、注意深く田んぼ を見回りながら、ふと、私のお米を食べている方々のことを思い出すのです。『食卓で愛されているのでしょうか』と。
緑の草むらからにょきりと穂が出て、黄金色に色づきます。秋のやわらかな日差しのなか、枯れかかった稲の葉が透きとおうった黄緑色に輝きだします。それがとても美しくて、なんだか若草に返るような、そんな気がするのです。
 コンバインと乾燥機の喧騒のなか、秋は深まっていきます。あったかご飯で乾杯、というのもいいんじゃないですか。
 私はおいしいご飯をほおばると、それだけでしあわせな気持ちになります。
 ではでは、みなさん、ごきげんよう。
                            

敬具

本年産米の特徴
○無農薬無化学肥料田は有機100%のボカシ肥料50程度散布し(商品名・エリート有機.放線有機)、あとは鴨のフンです。鴨のえさは昨年は鶏のえさとくずまいの両方でしたが今年は国産米のくずまいだけで育てました。品種は昨年はササニシキだけでしたが今年ははえぬきも植えました。
○減農薬減化学肥料栽培はいわゆる低農薬米と同じでありまして、農薬は除草剤一回だけの散布(商品名ウルフエース)で他の農薬散布はしてません。肥料のほうは、有機肥料を併用し化学肥料の量は慣行農法の5割以下に抑えて作っています。
 ※1枚13・の田んぼ( どまんなか作付け) に、共同防除の作業員が間違ってイナゴ防除の農薬を(7月3 日商品名オフナック粉剤) をふっ てしまいました・・。
             

としかつ父ちゃん、こと 阿部利勝
 
としかつ父ちゃんのしょうもない通信
1994.9.26号 1995.7.14号 1995.9.17号 1996.1.20号 1996.9.14号 1997.7.20号 1997.9.26号 1998.6.17号
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